スポンサーリンク

上記の広告は、30日以上更新がないブログに表示されています。
新たに記事を投稿することで、広告を消すことができます。  

Posted by のらんば長崎運営事務局 at

2017年11月21日

虚空を見つめるかのような視線には複雑な表情が見え隠れしている

 本作では制作当時、既に77歳を過ぎていたカーライルの寡黙で威厳的な人物像が見事に示されている。特に黒衣に身を包むカーライルの横顔は、数年前に妻を亡くし精神的にも疲弊を見せていた陰鬱な一面がよく表現されており、虚空を見つめるかのような視線には複雑な表情が見え隠れしている。

 また画面全体から醸し出される静謐で静寂な独特の雰囲気の描写も秀逸の出来栄えであり、画家自身、本作について「この肖像画は会心の出来である。
  
 彼の柔和ながら悲しみに沈む眼差しや、誤解を受けやすいであろう(彼の)敏感な感受性を描き出すことが出来た。私は彼のそのような性質を好ましく思う」と言葉を残している。

  


Posted by イッキ at 16:45Comments(0)